この記事の結論
特定技能制度は、人手不足の分野で一定の技能を持つ外国人材を受け入れる在留資格です。令和7年12月末時点で全国に39万人超が在留し、飲食料品製造業・工業製品製造業だけで全体の約4割を占めます。製造業にとってすでに珍しい制度ではなく、「難しそう」で足を止める前に、基礎知識と自社が対象になるかを判断する視点を整理することが最初の一歩になります。
定義:特定技能とは
特定技能とは、人手不足が深刻な特定の産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人材を受け入れる在留資格です。2019年(平成31年4月)に創設され、現在は工業製品製造業を含む19の特定産業分野が対象になっています。特定技能には「1号」と「2号」の区分があり、求められる技能水準や在留期間などが異なります(違いは後述の比較表を参照)。
なお、現行の分野名は「工業製品製造業」です。かつて複数に分かれていた製造関連分野が、現在は工業製品製造業として整理されています。分野の区分は制度の見直しに応じて変わることがあるため、自社の業務がどの区分に該当するかは、検討の際に最新の情報で確認することをおすすめします。
事実:製造業ではすでに広く使われている
※本記事の制度説明・数値は、出典[1](出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」)によります。
「うちには関係ない」と捉えられがちな特定技能ですが、数字で見ると製造業にとってすでに身近な制度であることが分かります。
出入国在留管理庁の集計によると、特定技能の在留外国人数は令和7年12月末現在(速報値)で390,296人です。[1]このうち、製造業に関わる分野の内訳は次のとおりです。
- 飲食料品製造業:95,644人(全体の24.5%・全分野中で最多)
- 工業製品製造業:57,576人(全体の14.8%)
この2分野を合わせると、特定技能全体の約4割にあたります。[1]特定技能という枠組みの中では、製造業はすでに最大級の受け入れ実績を持つ産業だと言えます。
※本節の数値は、特定技能という在留資格の枠組み全体における分野別内訳です(技能実習など他の在留資格は含みません)。また、令和8年3月末現在(速報値)では特定技能1号が404,527人、2号が12,420人という全分野合計の数値も公表されていますが、この時点では分野別の内訳が未公表のため、本記事では分野別データが確認できる令和7年12月末時点の数値で統一しています。[1]
比較表:特定技能1号と2号の違い
| 観点 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
| 技能水準 | 相当程度の知識又は経験を必要とする技能 | 熟練した技能 |
| 日本語能力水準 | 試験等で確認(技能実習2号修了者は免除) | 試験等で確認 |
| 在留期間 | 通算5年が上限(相当の理由があれば6年) | 更新回数に上限なし |
| 家族の帯同 | 基本的に認めない | 要件を満たせば可能(配偶者・子) |
| 支援の対象 | 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象 | 支援の対象外 |
| 受入れ見込数(上限) | 分野ごとに設定あり | 設定なし |
(出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」[1])